明治安田Ｊ１第９節。札幌ドームでは、勝点５で19位の札幌が勝点16で２位の広島と対戦する。

札幌は前節、アウェイで新潟と対戦して１－１の引き分け。相手の細かなパスワークに押される展開の中、20分に浅野 雄也が個の力を生かして見事なシュートを叩き込む。しかし、その後は立て続けに負傷者が発生。75分には途中投入された大森 真吾がこの日２回目の警告を受けて退場になるなど、苦しい展開に。80分に相手の強烈なミドルシュートがDFに当たりながらも枠に収まり、同点とされる。終盤は劣勢の時間が長くなったが、なんとか引き分けに持ち込んだ。

そして、今週水曜日にはＪリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド２回戦をアウェイで沼津と戦い、３－１の快勝。新潟戦からスタメン全員を入れ替えた中、小林 祐希が見事な２得点を挙げ、チーム一丸となった攻守を見せた。公式戦３戦無敗とし、良い流れを作れているはずだ。

一方、気温が高まってきた札幌市内へ乗り込む広島の前節はアウェイで福岡と対戦し、１－１のドロー。立ち上がりから福岡に強度の高いプレーを発揮され、圧力を受ける時間が続き、22分に先制点を奪われてしまう。だが、その直後にセットプレーから佐々木 翔が同点ゴールを挙げると、そこからは流れをつかみ、後半も優勢に進める。勝ち越し点こそ奪えなかったが、アウェイで貴重な勝点１を積み上げた。

この結果、広島は開幕から８戦負けなし。安定感のある見事な戦いを続けている。そして、その大きな要因となっているのが堅守だろう。運動量をベースに高い位置から積極的な守備を仕掛け、自陣ゴール前ではね返すというよりは、ピンチの芽を事前に摘み、失点リスクを軽減している印象だ。複数失点はここまで１試合もなく、チームとしての堅実な戦いで当然のように上位に定住している感さえある。

さて、そんなチーム同士の対戦だが、焦点となるのは互いにどれだけミスを少なく試合を進めることができるかだろう。前述したように広島は安定感のある戦いができており、札幌もここ数試合は悪い流れを食い止めるべく、守備意識を多少高めながら戦い、結果を手にしている。きっ抗した展開になる可能性が大いにあるため、その中で焦れずに戦うことが重要になるだろう。相手のスキを突き合うような、緊張感のある試合になることを予想する。

17日にルヴァンカップを戦った札幌に対して、広島は前節から中６日。そうした日程がどうのように影響するのかも、注視していきたい。