天皇杯プレビュー:鹿島vs群馬

天皇杯プレビュー:鹿島vs群馬

  • すばるけん 2025/06/10 05:57
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明治安田J1の半分の日程を終え、13勝1分5敗で首位に立つ鹿島が天皇杯初戦に臨む。対戦相手は1回戦で法政大を下して2回戦に進出してきたJ3群馬。両チームの公式戦での対戦は初めてとなる。


鬼木 達監督が就任してチームの形が整った鹿島は、試合ごとに着実に戦い方を進歩させてきた。J1開幕戦こそ落としたものの、そこからガラリと戦い方をあらためる。前線からの守備力を武器に勝点を重ねていくと、ボールを下からつないで相手陣に攻め入る質を高め、自分たちのモノにしてきた。ここまでリーグ戦での無失点勝利は9試合。1点差の試合を手堅くまとめて勝ち切ることも多く、J1第17節・清水戦や第19節・G大阪戦では後半に相手の猛攻を浴びながらも、ゴールを守ってきた。ただ、鬼木 達監督が目指すサッカーは「2点目、3点目を取りにいく」というもの。複数得点差での勝利は「チームとしての課題」(松村 優太)となっており、さらに勝つ確率を高めるためにこの壁を乗り越えたいところだ。


ただ、先のG大阪戦で負傷交代した安西 幸輝が左ひざ前十字じん帯損傷という大ケガを負った以外にも、師岡 柊生や関川 郁万という主力選手に大きなケガが相次いでいる。この天皇杯2回戦のあと中2日でリーグ次節、広島との上位直接対決が控えているだけにメンバーを入れ替えて臨みたいところだが、その余裕があるのかは不透明。一戦必勝以外の姿勢をとれないかもしれない。


対する群馬は、J3で15試合を戦って4勝6分5敗の11位につけている。リーグ戦はシーズン序盤こそ2つの連敗を記録するなど不安定な戦いぶりが目についたが、ここに来て5試合負けなし。直近の第15節はライバルクラブでもある栃木SCとアウェイで対戦。倍の数となるシュートを浴びながらもしぶとくゴールを守ると、83分に自陣からパスをつないでいって相手のオウンゴールを誘い、これが決勝点となって“北関東ダービー”を制した。


今季からチームを率いるのは沖田 優監督。ボールを下からつないで攻撃を仕掛ける姿勢を選手たちに求め、15試合で21得点はリーグ6位タイの多さ。その一方で、失点はリーグワースト3位タイの『23』と守備面の課題を抱えている。法政大との試合ではしぶとく戦いつつ、後半アディショナルタイムに髙澤 優也が決勝点を奪って1-0で勝利。この試合でも、できる限り無失点の時間帯を長くすることが勝利のカギになりそうだ。


本拠地での連戦とはいえ中2日でリーグ次節を迎える鹿島とは違い、群馬は中3日で次のJ3第16節・讃岐戦に備えることになる。これから厳しい夏の暑さでの戦いが待っているだけに、少しでも選手層を厚くしたいのはどちらも同じだろう。チームに追い風をもたらすニューカマーの活躍も期待したい。

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